「やたらと静かな夜って、必ず雪がのっこりいっちゃってるよね」
ムラがカーテンを開けながら言った。
雪国の人にはわかるんでないかな?
ところが最近気がついた。
ここらは北海道の人にさえ「静かすぎて落ち着かない」と言われる土地。
普段から夜に音なんかしない。
「あなた、降っても降らなくても最初からここは無音じゃありませんこと?」
俺の踵は恐怖でカタカタと震え出した。
最初からなかったんだ。。。ナノニ。
それはさしずめ、3人で回せるはずのない靴下を暗闇で一晩中回し続けた、
登山隊員の気付きと言ってもいいだろう。
でも、わかる。カーテンを開けると「あぁ、やっぱりな」と。
妙に静かだったもんなと。
もしカトキチだったなら、
ちびた靴下を乾かしながら、したり顔でこう言うのだろう。
「Kちゃん、それはさ、雪が降るってことはさ、冷えこまないじゃん?
だから良く眠れる、熟睡してるから音が聞こえないってことじゃないのぉ?」
うるせぇ馬鹿!
架空の発言にさえ毒づかれるカトキチの気持ちをくみつつも、先へ進むと、
やっぱり、それを言っちゃあおしめぇよ!的な結論にしたくない自分万歳。
雪がシンシンと積もるとはよく言ったもの。
Sound of silence ともよく言ったもの。
静寂には音がある。
確かにそんな感じはする。
そしてその音はたぶん自分の中からするんだ。
つか、それ耳鳴り。
+++北海道PLAINJAPふるさと通信員+++